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- 認知症予防プログラムについて

アルツハイマー型認知症は、発症予防が大切

認知症の代表的な疾患であるアルツハイマー病(Alzheimer’s disease: AD)の患者数は近年増加の一途を辿っており、今後もさらなる増加が予想されています。
認知症は個人の生活の質(QOL)への重大な影響だけでなく、介護者に精神的及び肉体的負荷を及ぼす疾患です。
これまでにADの治療薬が数種開発され、臨床使用が可能となっていますが、症状の進行を一時的に抑制するのみで、根本的治療法は未だありません。
このため、認知症の発症を遅らせるための予防が最も大切で、2019年6月に厚生労働省から発表された『認知症施策推進大綱』にも示されております。

危険因子と防御因子

ADの発症を予防するには危険因子と防御因子を知ることが大切です。
危険因子としては、アミロイド前駆体蛋白、プレセニリン1およびプレセニリン2の遺伝子異常やApoE遺伝子多型の遺伝的要因だけでなく、生理的な体内環境に影響を及ぼす教育、喫煙、飲酒、運動不足、睡眠、高血圧・糖尿病・脂質異常症等の非遺伝的要因が報告されています。
防御因子としては、定期的な運動、積極的な社会活動への参加、魚・野菜・果物などの食事栄養、適度なワイン(250〜500ml)の飲用が報告されています。

  1. ① 15歳までの教育
  2. ② 中年期の肥満
  3. ③ 難聴
  4. ④ 晩年期のうつ病
  5. ⑤ 2型糖尿病
  6. ⑥ 低活動量
  7. ⑦ 社会的孤立
  8. ⑧ すべての年齢に共通する高血圧
  9. ⑨ 喫煙習慣

9つの因子に対処することで認知症の3分の1以上が予防できる可能性があることがランセット認知症予防・介入・ケアに関する国際委員会により示されました。

大分大学医学部 神経内科学講では、2015年から臼杵市をコホートとしてウェアラブル生体センサによる活動量・会話量・睡眠時間・摂食時間などの生活習慣データ収集、認知機能検査、アミロイドPETやFDG-PET等の先端画像検査を実施し、これらのビッグデータを解析することによって科学的根拠のある認知症発症リスクおよび予防法を探索する前向き観察研究を始めました。

認知症の予防

この結果から運動量、睡眠時間、会話時間等の生活習慣と認知機能が関連すること、認知機能を維持するためには3276歩以上の歩行、353~434分の睡眠、39分以内の昼寝、80~321分の会話が重要であることが明らかになりました。

認知症予防プログラム

認知症予防プログラムを詳しく知りたい方は、当院の神経内科外来を受診ください。

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